熱中症とは、体内の熱を外に放出する体温調節の働きが不十分となり、急速に体温が上昇してしまう機能障害の病気です。
症状に寄っては命に危険が及んだり、深刻な後遺症が出ることもあります。
犬は人間と違って汗腺の発達が弱く、汗をほとんどかかない為、熱中症にかかりやすい傾向があります。
また、夏だけに限らず、どの季節にも起こり得るので、注意が必要です。
熱中症になりやすい状況
- 蒸し暑い室内や車内など
- 犬の熱中症の原因で最も多いのが、車内での留守番です。エアコンをつけずに停車した車内は、特に熱がこもりやすく、たった数分でも油断はできません。
- 気温や湿度の高い日のお散歩や外出(夏のアスファルトの上は、人間の感覚以上に犬にとっては高温です。路面温度は気温よりも20℃以上高くなると言われています。)
- 水分を十分に取れない環境
イヌの熱中症は春先からも発症しています。
ペット専門保険最大手のアニコム損害保険株式会社によると、「熱中症」による2012年月別保険金請求件数は、4月[15件]、5月[34件]、6月[74件]と月ごとに倍増。春先から「熱中症」の発症が急上昇し始める傾向が確認できます。年々春先でも夏日となる日も多くなり、この時期からの注意が必要です。(出典:アニコム損害保険株式会社 アニコム ニュースリリースページ)
イヌと車で出かける飼い主、45%が車に愛犬をお留守番させると回答しています。
車でイヌと出かけると回答した647人のうち、45%もの飼い主が車にイヌをお留守番させることが今回の調査で明らかになりました。また、44.7%の飼い主は春ならば外気温が低いため車中へイヌを残すことに問題がないとも考えています。
また、車の中にイヌだけを残すシチュエーションについては「買い物をしているとき」(63.2%)、「食事をしているとき」(51.2%)が挙げられています。春は「買い物」や「食事」にイヌを連れてドライブに向かうことが多くなる時期。このような傾向にある方は、特に注意が必要です。(出典:トヨタドッグサークル トヨタドッグサークル)
とくに注意が必要な犬
短頭種の犬
シーズー、ペキニーズ、パグ、ブルドッグなど。
体の構造上スムーズな呼吸がしづらく、暑いほど更に悪化する
北方が原産の犬
シベリアンハスキー、サモエド、グレートピレニーズなど。
厚い被毛を持つため、生まれつき暑さに強くない。
肥満気味の犬
皮下脂肪が断熱材となって体内脂肪に熱がこもりやすい。
首まわりの脂肪によって機関が圧迫され、呼吸機能が低下し、呼吸による体温調節が難しい。
子犬や老犬
体の生理機能が未発達であったり、逆に衰えていることが多い。(体温調節が上手く出来ない)
心臓や呼吸器が弱い犬
循環器・呼吸器機能が低下している為に上手く体温調節ができない。
対策
長時間のお散歩や外出は控えましょう。
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家の中で留守番させる場合
室内の風通しに気をつけたり、エアコンをつけるなどして湿度・室温が上昇しないよう心掛けましょう。
充分な水分補給ができるよう飲み水の量や配置場所に注意しましょう。
車ででかける場合
なるべく車内にひとりで留守番させないよう気をつけましょう。
同伴できない場合は、近くの日陰や風通しの良い場所に繋いでおくか、誰かと一緒に過ごすようにしましょう。
水分補給を忘れないようにしてください。
散歩に行く場合
日中の散歩は控え、早朝か夜の散歩に切り替えましょう。
なるべく草や土の上を歩かせるようにして、短い時間にしておきましょう。
動物用の保冷グッズ(首まわりのアイスノンなど)を上手く活用しましょう。
応急処置
意識がある場合
一刻も早く体を冷やし、水分補給を涼しい場所へ移動させ、飲水が可能であれば飲ませて水分補給を行う。
冷水で濡らしたタオルを体(頭や脇の下、内股)にあてたり、体全体に水をかけて体温を下げる。(※体温を下げすぎないよう注意)
なるべく早く病院へ来院して下さい。
意識がない場合
体を冷やして、一刻も早く病院へ。
体全体を冷やし、体温を下げる処置を行いながら動物病院へ連絡を取り、なるべく早く来院して下さい。
わんちゃんは、自分で体調の悪さを伝えることができないので、飼い主さんが十分にきにかけておくことが大切です。常に熱中症に対する予防を心掛けておきましょう。