ペットフード協会の調べによる犬と猫の飼育頭数の推移をみると、昨年の時点で、ペットとして飼われているネコの数が犬にせまっています。
今回は、ネコちゃんとの優しい付き合い方についてお伝えしたいと思います。
通院時のストレス軽減
ネコはなわばり意識が強く、飼い主様のご自宅を自分のなわばりと認識しているため、自分の生活圏を離れることに不安を感じます。移動や引っ越しなど身の回りに変化があるとストレスにつながり、警戒心が強いネコではパニックになることもあります。
通院時の移動によるストレスは、少しの工夫で軽減してあげることが可能です。
キャリーバックで安心・安全
ネコの通院ではキャリーバックが大活躍します。ネコの不慣れな事の多くから守ってくれ、まさかの逃走も防ぐことができます。
しかし、病院に行こうとキャリーバックを出した途端、気配を察して逃げてしまい、やっとの思いで捕まえてバックに入れるまでが一苦労で、家を出る頃にはくたくたに…、ということもありますよね。
そのようなことを少しでも軽減するには、キャリーバックを日常的に使い、ネコちゃんにとって安心できる場所にしておくことが必要です。
キャリーバックに慣れるための工夫
いつものお昼寝スポットや、くつろいでいるソファの上などネコちゃんのお気に入りの場所に置くに設置してみましょう。
いつでも好きな時に入れるよう扉やフタは開けておきます。入っている時に扉が閉まり、閉じ込められるなどの怖い思いをすると近寄らなくなることもあるので、勝手に閉じてしまわないように扉は固定しておきましょう。
普段使用しているタオルやブランケットなどを中に入れてあげると安心感がアップします。また、キャリーバックに入ったまま遊んであげたり、ご飯やおやつをあげるなどネコちゃんの好きな事をしてあげるのもおすすめです(*^_^*)
ネコちゃんの気持ちを優先させる
猫の祖先は犬と違って群れではなく、単独で生活してきた動物です。そのため犬のように人と主従関係を築いたり、家族のように交流することは本来の猫の生活スタイルではありません。
つい、飼い主さんのタイミングを優先して抱きついたりかまったりしてしまいますが、猫はとっても気まぐれです。「飼い主さんがどうしたいか」よりも「猫が今どうしたいか」というのを一番に考えて接してあげることがポイントです。
ご機嫌な時の行動
- 近くに寄ってきた時
ネコはかまってほしい時に近寄ってきます。体をさわると、のどを鳴らしてゴロゴロいったり、抱っこも受け入れてくれやすいタイミングです。 - お腹をだしてゴローンと寝ころぶ時
遊びに誘いたい時に仰向けになってお腹をみせます。ただし、なでている途中にするなら「もう十分だからやめてね」という合図ですのでしつこくしないようにしましょう。
“同じ”愛情表現でコミュニケーション
猫特有の愛情表現に、「両目でゆっくりまばたきしてくる」や「鼻と鼻をくっつけてくる」などがあります。そのような仕草をしてくれたらネコちゃんと更に仲良くなるチャンスです!ネコちゃんに合わせてこちらも同じ事をして応えてあげると良いでしょう。
同じペットでも習性の違う犬と猫。近年、獣医療界でも『キャットフレンドリークリニック』という動きが注目されつつあります。キャットフレンドリークリニックとはネコとそのご家族が動物病院に来院する際のストレスを軽減できるような環境を作っていこう、という取り組みです。
当院でも飼い主様とネコちゃんがより仲良くなれるように、また、通院時や入院時のストレスを軽減できるように様々な工夫を行っておりますのでお気軽にご相談下さい。