・フィラリア症とは蚊によって媒介されるとても怖い病気です。この病気はフィラリアという虫が主に犬の心臓(特に肺動脈や右心室)に寄生して血液循環を悪化させることで、心臓・肺・肝臓・腎臓などに様々な障害を与え体調の悪化を引き起こします。また、フィラリアは細長いそうめん状の虫で、別名「犬糸状虫」とも言います。フィラリアは犬を始めとするキツネやタヌキなどイヌ科の動物に寄生しますが、まれに猫にも寄生していることもあります。
・フィラリア症の症状は寄生している成虫数や感染期間、寄生部位などによって様々です。一般的に寄生している数が少ない初期ではあまり症状を示すことはありませんが、多数寄生することで血液の循環が悪くなることで「急性フィラリア症」や「慢性フィラリア症」などの様々な症状が現れ、放置することで死に至る場合もあります。
1.蚊の吸血で幼虫が体内に侵入
2.体内で成長
幼虫は皮膚の下や筋肉内で脱皮をくり返して成長します。
投薬しないと・・・
3.フィラリアが血管に侵入
4.心臓に寄生
成虫になり、心臓や血管でたくさんの幼虫を産みます。
- 心臓や血管に入るとお薬では駆除できません。
「予防」ではなく「駆除」するお薬なんです!
お薬は飲んだ後に寄生を予防するものと思われがちですが、実はフィラリアに感染していることを前提に、1ヶ月前に寄生したフィラリアを駆除するものなんです!
「お薬での予防のポイント
- 1ヶ月ごとに確実にお薬を飲ませる!
- 蚊が出始めた1ヶ月後から蚊がいなくなった1ヶ月後までお薬を続ける!
感染期間はどうやって決まるの?
感染期間は、HDUというフィラリアの赤ちゃんが成熟するために必要な積算温度の単位を気象台の気温データをもとにして計算することで推定されます
- HDU
- 平均気温−14度
- 感染開始
- 30日間のHDUを加算していき、130を超えた日
- 感染終了
- 30日間のHDUを加算していき、130を切った日
現在は内服するタイプや皮膚につけるスポットタイプ、注射タイプがありますので、どのお薬が飼い主様やわんちゃんの生活環境に合うかなどご不明な点がございましたらご相談ください。