性成熟とは、健全に発育した犬が性的にも成熟した状態になる事をいいます。
成熟を迎える時期は、
雄犬:生後8~16ヵ月
雌犬:生後7~12ヵ月といわれています。
大型犬より小型犬の方が比較的に早く成熟する傾向にあり、同じ犬種内でも栄養状態や飼育環境によって時期が異なります。
また、初回発情時では身体が十分に発育していないこともあります。
初回発情での妊娠では、難産になったり、生まれてくる子犬に問題が起こる事もある為、最初の交配は十分に体が成長してからの2回目の発情以降が適しているといわれております。
発情周期 | 発情前期 | 発情期 | 発情休止期 | 無発情期 | |
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発情徴候 | |||||
雄を受け入れる | × | ○ | × | × | |
期間 | 平均8~11日 | 平均10~13日 | 約2ヵ月 | 約4〜8ヶ月 | |
・発情出血開始から雄犬に交尾を許すまでの期間 | ・雌犬が雄犬に交尾を許す期間 | ・雄犬への許容が終わってから発情前期が始まるまでの期間 | |||
症状 | ・外陰部の腫れ ・充血 ・陰部からの出血 |
・徐々に外陰部の腫れが落ち着く ・中旬から出血量減少 ・血液の色 赤色⇒ピンク色 |
症状なし この時期の長さによって、その犬の発情周期の長さがほぼ決定される。 |
犬の妊娠期間はヒトと比べて短く、交配日からおよそ58~65日程で出産に到ります。
妊娠成立の徴候として、交配後1ヶ月頃より外陰部からわずかな分泌物がみられたり、また、食欲減退が見られることもあり、これはヒトでいう『つわり』のような現象といわれています。
しかし、これだけで妊娠と確定することは難しく妊娠診断を行う必要があります。
妊娠診断は「いつ」「何を」するの?
●超音波画像診断・・・
妊娠20日頃より胎嚢(赤ちゃんの部屋)の確認が可能
25日頃より胎児の心拍の確認が可能
●X線検査・・・
妊娠55日頃より可能
X線検査は被爆の影響を考慮して45日以降の検査を勧めています
その他にも、腹部触診法・血液ホルモン測定法などもあります
メリット | デメリット | |||||
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超音波検査 | ・被曝による害がない ・胎児の生死が確認できる |
・頭数が正確に確認できない | ||||
レントゲン検査 | ・頭数が正確に確認できる(胎児の数が多ければ正確に確認できないこともある) | ・胎児の生死が確認できない |
イヌはもともと本能で子犬を産んで育てる能力を持っています。妊娠をより安全に経過させる為には、妊娠中に適度な運動をさせたり、食事管理も適切に行いましょう。
妊娠中の不適切な管理で難産になったり、分娩および子育て時に母犬にストレスをかけてしまうなど、過度な介助をすることで上手くいかなくなってしまうこともあります。
ワンちゃんの分娩・出産に関わることになった飼い主様が適切な妊娠管理・妊娠の経過や分娩の準備などに関する正しい知識を持って出産・子育てに望まれることが何より大切なことになるでしょう。