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長者原動物病院の新着情報をお届けします。

他人事ではない内部寄生虫について

他人事ではない内部寄生虫について

家族の一員ともいえるワンちゃん・ネコちゃん。

実は私たちのすぐそばに大切な家族を危険にさらす内部寄生虫がいることを皆さんはご存知ですか?

今回は内部寄生虫の中から代表して犬回虫・猫回虫についてのお話をしていこうと思います。

病原体

犬回虫(猫回虫)とは、イヌ(ネコ)およびイヌ(ネコ)科動物に寄生する内部寄生虫で、成虫は イヌ:9~18㎝ ネコ:3~12㎝ の黄白色で主に腸に寄生します。その寄生した成虫が回虫卵を産み、その回虫卵が便と一緒に体外に排泄されます。回虫卵は環境中での抵抗力が非常に強く砂や土の中に混じって感染の機会を待っています。

症状

・食欲不振
・下痢(回虫を含むことあり)
・嘔吐(回虫を含むことあり)
・お腹の異常な膨らみ
・腹痛
・貧血
・毛ヅヤの悪化
・体重減少
・発育不良(子犬・子猫)  など
※成犬では感染していても症状が出ない「不顕性感染」も多いみたいですが、多数の成虫が寄生した場合は、上記の症状が出ます。

感染経路

イヌ回虫症・猫回虫症は、犬回虫・猫回虫という寄生虫に感染することで発症します。
感染経路には、母犬の胎内で胎子に感染する胎盤感染(ネコでは母親からの胎盤感染はないと言われています)、乳汁によって子へ感染する乳汁感染、回虫の虫卵に汚染された土壌で遊んでいる際に虫卵を口にしての経口感染、回虫の幼虫を体内に持ったネズミなどの小動物を捕食しての感染があります。そして、回虫は経口感染でのヒトへの感染もあります。

感染経路

治療法

駆虫薬の投与
※2週間~3週間間隔で2~3回の投薬をするのが好ましく、定期的な検便が必須です。
また、現在は単独の駆虫薬以外にフィラリアと一緒に内部寄生虫が駆虫出来るお薬があります。感染のリスクを避ける為には定期駆虫をお勧めします。

内部寄生虫には、今回紹介した回虫以外にもたくさんいます。

飼い主様は、自分自身が感染しない為に、

  • ペットとキスしない(ヒトの口を舐めさせない)
  • 糞便はすぐに処分する。
  • もし触れた場合はすぐに手を洗うなどの対策が必要となってきます。

特にお子様の場合、公園の砂場など色々な場所・モノに興味を持つ事が多いと思います。もしその場にイヌ・ネコの糞があった場合、感染するリスクが高くなりますので特に注意が必要です!!!