カーミングシグナルとは・・・
カーミングシグナルとはわんちゃんのボディランゲージであり、英語の「鎮める」や「落ち着く」の意味を持つ「Calm(カーム)」と「合図」や「信号」の意味を持つ「Signal(シグナル)」の2つの単語が合わさってできた言葉です。
種々のストレスの原因である緊張関係を回避する、緩和することが目的とされています。
普段見過ごしているわんちゃんのしぐさから思わぬシグナルが出ている場合があります。
このカーミングシグナルを注意してみることで、わんちゃんの気持ちに近づくことができ、わんちゃんとのコミュニケーション・信頼関係・絆がより深まることにつながります。
そこで、わんちゃんのカーミングシグナルの例とその意味をご紹介します!
(1) そっぽを向く・視線をそらす
興奮している相手を落ち着かせたい、または敵意がないことを示す行為
例 : 目を見ながら叱っていたら、目をそらした
意味 : 相手に対して「もっと落ち着いて」とシグナルを出している
(2) おしっこをする
わんちゃん同士では交友関係にあることを示し、人に対しては最高の親愛を示す行為
例1 : わんちゃん同士が出会ってしばらくしたら片方のわんちゃんがおしっこをした
意味 : そのわんちゃんとは「これでお友達になりました」と示している
例2 : 散歩中におしっこをするときに飼い主の顔を見上げる
意味 : 完全に安心しきっている。「頼りにしている」というサイン
(3) お座りをする
争い事を回避するため、服従と安全を確保するための行為
例1 : 散歩中、他のわんちゃんが近づいてきたときに座る
意味 : 相手のわんちゃんに自分が敵意がないことを示している
例2 : 飼い主の側にきて座る
意味 : 服従心を示し、何かしてくれることを待っている
(4) 伏せをする
相手を落ち着かせるための強いシグナル、服従を示すともいわれる。喜ぶ前に見られることもある
例1 : 散歩中に出会ったわんちゃんが伏せをした
意味 : 相手のわんちゃんが好意を持ったことを示している
例2 : 食事を待っている時や運動をする前に伏せをする
意味 : 自分のうれしい気持ちを落ち着かせようとしている
リラックスしているのではなく興奮する気持ちを抑えようとしている
(5) 体を低い位置に落とす(前足をかがめ、お尻を持ち上げるような姿勢=プレイバウ)
歓迎の気持ちを現し、喜びを示す行為
例 : 仲の良いわんちゃんと出会った時に体を低い位置に落とした
意味 : 遊びに誘うサインを示し、敵意がないことを伝えている
(6) 地面のにおいを嗅ぐ
その場所の情報を得るためににおいを嗅ぐ行動をとるが、自分や相手を落ち着かせようとする場合にも現れることもある
例 : わんちゃん同士が出会った後、周囲を歩き回りながらにおいを嗅いでいた
意味 : 自分自身を落ち着かせるため
わんちゃんは体の一部、特に尾の高さや振り方、耳の動きで感情を現わします。
その例もご紹介します。
(1)尻尾
- ゆったり左右に振る・・・親愛、信用、信頼
★顔の表情が緊張していたり険しい場合→警戒 - 激しく振る・・・喜び
★顔の表情が険しい場合→怒り、興奮 - 上に向かって立てる・・・警戒、注目
- 股に巻き込む・・・萎縮、怯え、不安
(2)耳
- ピンと立てる・・・注目、注意
★落ち着いた表情をしている→何かに注目している - 前に傾けてピンと立てる・・・唸るなど険しい表情をしている→威嚇
★威嚇の対象が見当たらない→危険を察知し訴えている - 後ろにつくように倒す・・・その時のわんちゃんが置かれている状況で意味が違う
⒜服従、甘えの場合
落ち着いた表情で尻尾を左右に振っている場合
明るい表情・口を少し開けている・目をパチパチしている
尻尾を立てている
⒝不安、怯え
険しい表情をしている・歯を見せている・唸る - 後ろに引きやや横に出す・・・わんちゃんに何かをさせようとした時であれば嫌がっている場合もある
このように、わんちゃんの行動一つ一つに意味が隠されています。尻尾や耳の様子を見てみることで、表情やカーミングシグナルを観察し、わんちゃんのおかれている状況・気持ちに近づくことができるでしょう。
わんちゃんのカーミングシグナル、いかがでしたか?
わんちゃんと飼い主様がより良い関係を築くためのご参考になりましたら嬉しいです。