新着情報

長者原動物病院の新着情報をお届けします。

小鳥の検査について

こんにちは、8月から新たに長者原動物病院のメンバーに加わりました獣医師の加藤です。

以前の勤務先での経験を生かし、犬猫の診察と共に、エキゾチックペット(小鳥・ウサギ・ハムスター・フェレットなど)の診察・治療を担当しています。

コラムを通じて、みなさんにエキゾチックペットの診察や検査、治療への理解を深めていただければと思います。

まず1回目として「小鳥の検査」を紹介します。
小鳥さんたちも他の動物たちと同じようにいろいろな病気にかかります。このためそれらを診断し治療するために、検査が必要になります。

糞の中にいる寄生虫やカビ、細菌のバランスなどを調べます。鳥さんにストレスを与えることなく、多くの情報が得られます。

よく見られる病原体の例

  • メガバクテリア(真菌) →セキセイインコなど
  • コクシジウム(原虫)→文鳥
  • 回虫(線虫)→オカメインコ

鳥には食道の一部が拡張したそのうという袋があり、ここで病原体が増殖することがあります。口からチューブをいれてそのう液を採取するので、鳥さんには少々ストレスがかかりますが、とても大切な検査です。

よく見られる病原体の例

  • トリコモナス(原虫)→文鳥など
  • カンジダ(真菌)→オカメインコなど

鳥さんたちの尿は便や尿酸(ウンチの白い部分)と一緒に総排泄孔(お尻の穴)から出されます。サランラップなどを鳥かごの下に敷いて尿を採取し、検査をします。
主に尿の濃さ(尿比重)や尿の中に糖が出ていないか(糖尿病ではないかどうか)を調べます。

犬や猫と同じように鳥さんたちもレントゲン検査をすることができます。
基本的に麻酔などをする必要はありません。場合によってはバリウムを飲ませて造影検査を行うこともあります。甲状腺、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃腸、精巣、卵管などさまざまな臓器の大きさや位置をチェックしていきます。

血液は基本的に首の大きな血管から採血します。鳥さんの状態を把握し、しっかり保定すれば決して危険な検査ではありません。肝臓や腎臓の状態や、高脂血症の有無などを調べることができます。

鳥さんたちは体調が悪くてもギリギリまで症状を隠すことが多く、状態が悪化してから病院に来るケースが非常に多いと感じます。少しでも体調の異変に気づいたら早めに受診していただき、早期発見、早期治療することがとても大切です。また新たに小鳥さんをお迎えした場合も、検便・そのう検査を基本とした健康診断を受診されることをお勧めします。